記事 当事者体験

発達障害の私の「女子力」の無さ

私には軽度(グレーゾーン)の発達障害があるが、一つ大きな悩みがあった。

それは「女子力」が極端に欠けていることだ。

女子力の定義は難しいところだが、ここでは振舞い身だしなみのことを指したい。

大和撫子という言葉もあるが、「女性はおしとやかで、美しくあるべき」という固定観念は未だに日本社会に根付いているものだと感じる。

落ち着きのない幼少期

幼少期から私に「おしとやか」という言葉は無縁だった。私はとにかくじっとしていることが苦手で、今こそはだいぶ落ち着いたが小さい時はマグロのようにずっと動き回っていた。授業中など大人しくしていなければいけない場面では、貧乏ゆすりをして気持ちを紛らわせていた。

落ち着きがない分、思いたったらすぐ行動に移すところがあり「行動力がある」と周囲から評価されることもあったが、それ以上に「もっと考えて動けばよかった」と後悔する回数の方が多かった。「女性は男性の後ろを歩くべき」という固定観念の対極に自分はいると思う。

身だしなみが大変

身だしなみがだらしないのも現在はある程度克服したと考えているが、幼い時は酷いものだった。服を前後ろ反対に着ていたのは日常茶飯事だったし、ズボンのチャックがあいていて知らない人に教えてもらった事も何度もある。中高生の時は洋服そのものに関心があまり無かったので、洋服を選んで買う事もなかなか苦痛だった。(興味のないことをすることは自身にとって死ぬほど苦痛だった)

自分の脳内は常にモヤがかかっているような状況で、細かいところにまで頭がいかず目の前のことでいっぱいいっぱいだったので、身だしなみにまで気を配れなかった。

現在は成人女性として身なりをきちんとしようと心がけているが、それでも小さなアクセサリーなどは管理できず無くしてしまう事が多々あるのであまりつけられない。

私の思考

整理整頓もあまり得意ではないので「自分は女子力がないなあ」と自責することもあったし、女子力の高い友人を見ると「なぜ自分は彼女のようになれないのだろう」と劣等感を抱く時もあった。親や学校の先生に「もっとちゃんとしなさい」と叱られた時は、ただただ胸が痛かった。「女子力」がないと落ち込むことがいまだにあるが、自身に落ち着きがないことを自覚し、外見に関しては人より時間をかけて身だしなみを整えることで「人並み」を維持するように今後心がけていきたいと考えている。

-記事, 当事者体験