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NPO法人東京メンタルヘルス・スクエア様にインタビュー

「話を聞いてくれる人がそばにいる社会を作る」というコンセプトの元、カウンセリングサービスカウンセラーの育成の事業を行っているNPO法人東京メンタルヘルス・スクエア様にインタビューを行いました。

NPO法人東京メンタルヘルス・スクエア様
NPO法人東京メンタルヘルス・スクエア様

苦しくて居場所がない人の話を聞く場を設ける事と社会貢献したい人の活動の場を作る事を目標に二軸で活動しております。

①無料のカウンセリング・低賃金のカウンセリング

②魅力あふれるカウンセラーの育成

民間資格の心理関係の職を得るのが難しいのが現状なので活動できる場を作りたいと考えています。

現在はカウンセラー100名、運営は兼業しながらの有志が15名で運営しています。

 

NPO法人東京メンタルヘルス・スクエア様
NPO法人東京メンタルヘルス・スクエア様

具体的なカウンセリングの内容としては

1お話しパートナー(有料)

1対1でお話し、カウンセリングルーム1回5000円

コロナが蔓延してからzoom・電話で実施

2心のホットライン(無料)

1日2回 20分

3SNSによるカウンセリング(無料)

1日1回 ひとり50分

厚生労働省 相談員の方にはある程度のお金を支払いながら運営をしております。

1日12時から24時の12時間365日で運営しています。

200~300件相談があって、我々は100件答えられています。

まだまだ相談に対する対応が追いついていないのが最大の課題です。

 

NPO法人東京メンタルヘルス・スクエア様
NPO法人東京メンタルヘルス・スクエア様

安倍政権の頃から自殺対策がなされていてSNS対策が必要だという風潮がありますが、

電話相談は昔からあって「今更」というふうに思われている節があります。

SNSの相談は30代以下が80%で、40台50代は20%。

電話の相談は30代以上が90%以上を占めています。

年齢層によって相談のツールが違うのですが、

年齢層によって相談のツールが違うのですが、電話相談は高齢の方のために必要であり続けます。

NPO法人東京メンタルヘルス・スクエア様
NPO法人東京メンタルヘルス・スクエア様

しかし電話相談の運営費は募金活動やチャリティーイベントを通して集めていますが、全然足りないのが現状です。

電話相談が月にカウンセラーが10人くらいしか入れていないです。電話相談は月100件ほどしか対応できていないのが現状ですが、電話出なければ何件かかってきたかわからないじゃないですので、過去のデータを考えれば3000件4000件くるはずです。

一般社団法人NeBA
一般社団法人NeBA

なるほど、メンタルヘルスの事業の運営に関して難を感じられている事が多い中でも、一番大変だとお考えになさっている点はどこですか?

NPO法人東京メンタルヘルス・スクエア様
NPO法人東京メンタルヘルス・スクエア様

やはり運営資金が十分じゃない事ですかね。

例えばうち以外でもカウンセリングの事業「命の電話」が運営がボランティアで行われおり、交通費も出ていないのが現状です。その為時間においても(お金をもらえないという)資金面においても若い人は難しく、命の電話が高齢化している事が挙げられています。

そしてSNS相談はある程度はお金はもらっているが100%の回答をしようと思うと、カウンセラーの数がまだまだ圧倒的に足りないです。

日本のメンタルヘルスがもっとどうなったら良いという理想はありますか?

 

NPO法人東京メンタルヘルス・スクエア様
NPO法人東京メンタルヘルス・スクエア様

二時予防は行われているが一次予防が行われる事が必要だと考えています。我々がやっているのはすでに精神的に苦しい人のケアをする自殺の二次予防で日本には一次予防が足りていない、いわゆる日常的な心のケア、人が苦しくて孤立をしない環境を作っていじめができない、いじめを受けない、そういった文化を作っていくこれが一次予防です。

一次予防として具体的にどういったものが行われていくべきでしょうか。

NPO法人東京メンタルヘルス・スクエア様
NPO法人東京メンタルヘルス・スクエア様

学校教育から変えていくべきだと思います。

SOSを受ける側の大人が十分に育成されていないでしょう。

2回3回SOSを出して無視された子供はどうなるか....。

専門家集団を作って国におろしていく、そこは政策の部類になっていくと考えています。

また文化に関して男尊女卑というかですねそういった文化があって、それがちょっとマイナスに作用してる部分があるんじゃないかなとは思ってますね。

「男らしさ」って言葉聞いたことありますかね、男らしさの全てを否定するわけじゃないですけど、男の子なんだから強くなくちゃいけないとか、男の子は黙って我慢するとか、男の子はメソメソ悩んじゃいけないとかですね。

そういうのがあるとやっぱり相談するのは負けたみたくなるじゃないですか。悩んだらもう終わりだみたいな思想に陥りがちなのでそこの価値観を変えるべきだと考えています。

日本だと、男性が女性の2倍ぐらいが自殺しててなおかつ高齢者が自殺多いじゃないですか。

やっぱり年配の男性ほどやっぱりその相談する、困ったときに誰かに助けを求めるっていう習慣は難しいですよね

困ったときはお互い様という考え方や教育がもっと広まればいいと思います。

そもそもカウンセリングに行かない、行かないことが文化なわけじゃなくていくっていう文化がないそうですよね。

教育と文化が一次予防の為に必要な改革という事ですね。

NPO法人メンタルヘルス・スクエア様において、更なる新しい事業としては何かお考えですか

NPO法人東京メンタルヘルス・スクエア様
NPO法人東京メンタルヘルス・スクエア様

手の届く所から広げていこうと考えているので自助団体を立ち上げようと考えています。

カウンセリングの体制で1対1だと、どこまで行ってもカウンセラーを増やしても10人でも10人しか対応で100人にしても100人しか採用できない、

これ自助団体体制により1人のファシリテーターで10人を相手にすることでレバレッジを効かせることができるようになります。

また当事者同士だと容態やそれに伴う信条に対して「そういうのあるよね」「わかるわかる」って言い合うので、非常になんか心強いというか1人じゃないというかそういった意味では、孤立対策になると考えています。

NPO法人東京メンタルヘルス・スクエア様
NPO法人東京メンタルヘルス・スクエア様

あとはAIを相談対応に活用することを考えています。

AIで相談者の精神的苦痛の重度さを振り分けるという機能を専門家の方と共同で開発しています。

相談の内容の中で重要性の高いものからプライオリティを並べていって、緊急度と重要性が高いとかで対応していくっていうことをAIを使うことでできるようにして緊急度と重要性が高いの高いものから随時対応していくものです。

相談を受けていて自分も話を聞いてて精神的に引っ張られてしまうとか、苦痛に感じらっしゃることはありますか

 

NPO法人東京メンタルヘルス・スクエア様
NPO法人東京メンタルヘルス・スクエア様

やっぱりかなり衝撃的な内容や、これまでに聞いたことがないような相談内容だとか、あるいはカウンセラーがきっと無力化を感じるぐらいにどうしようもない問題だとかそういう話にはやっぱり引っ張られるというか悩むところはありますよね。

例えば10年以上まえ311の震災で、カウンセラーがかなり派遣されていたわけですけれども、そこでやっぱり身近な人が死ぬとか、あるいは自分が死にそうとか、そういったことを本当にあの、生の話というかされるわけですよね。

それもある程度慣れていけば、カウンセラーも慣れていきますけれども…

何かご自身もその精神的に苦しい経験があって、今カウンセラーとかやられている感じなんですかねNPOのそのメンタルヘルススクエアの方は心理学に興味があったとか勉強するのが面白かったっていうタイプもいれば、ご自身が傷つきやすかったり、悩みやすかったりストレスを抱えやすかったりちょっと自信があるけど、ものすごい体験をして乗り越えて援助者側というかカウンセラーになるっていう人もいますね。

色々な精神疾患の重さの方がそのご相談にこられるっていうことだというお話を聞いたのですが、例えばその希死念慮を持ってご相談しに来る方っていうのはどう対応してますか。

NPO法人東京メンタルヘルス・スクエア様
NPO法人東京メンタルヘルス・スクエア様

カウンセラーによって考え方は違うけど、

希死念慮は言語化することで言語化って言葉にすることで行動化が抑えられるって考えてます。

ただ自分1人で独り言で「死にたい」を言っていっただけでは意味がなくて、きちっと聞いて受け止めてくれるその人の大変さをわかってあげる人がいることが大切なのでいうのは憚らないほうがいいと考えています。

「死にたい」とかいう相談の原則としてあるんですけど、カウンセラーの原則として社会的な常識を押し付けてもあんまり意味がないというのがあって。

死にたいって言っちゃいけないよとか、あるいは生きていればこの先いいことあるよとかですね、そういう何かわかったような、あるいはわかってもないくせに何かいい言葉をただ言うだけって、いうそういうのは逆になんか常識を振り替ざすのは

「全然この人話をわかってくれない」とか「話通じない」と思われて、余計なことを話しても駄目だ、わかってくれないってなるんで、その当事者は孤立孤独に向かっていってしまう。

自分たちの団体だけが大きくなって、うん、それで日本をサポートするなんて絶対無理だから、日本中のいろんなところにそういう気持ちを持ってやってる団体があるので、そこに我々が準備した環境プラットフォームを提供して、我々が例えば色々な所でSNS相談のセミナーを開きSNS相談のハウツーを教える講師をやっています。

他の団体が同じような活動ができることを支援することで日本全体でそういった居場所ができていくっていうことをしていきたいです。

なるほど。すごいですね。それはこの団体様に知名度があって今後も大規模になっていくからこそできることですよね。

NPO法人東京メンタルヘルス・スクエア様
NPO法人東京メンタルヘルス・スクエア様

そうですねある程度自分たちが経験を積まない他の方たちにインフルエンスすることはできないのでまず自分たちがしっかりするっていうところがスタートですね。

ある程度できてそこにいろんなところから仲間が集まってきてくれてるんですね、その背景があり他の団体とともいろんな協力関係ができやすくなってきてるんです。

厚生労働省が我々を認めてくれて活動してそれなりの規模でやってるので、他のところもうちと組んでやることに価値があるかなって思ってくれるので、責任者同士の会話っていうことが最近どんどん増えてきてるんですね。

同じような気持ちを持っている団体の責任者同士が話し合えばさらに次の段階に進むことがわりと容易にも出来ます。

「カウンセリングのゴール」に関してどういうふうにお考えですか。

 

NPO法人東京メンタルヘルス・スクエア様
NPO法人東京メンタルヘルス・スクエア様

ゴールはやっぱりその人によって違うんじゃないかとは思ってます。うんそその人がどうなりたいかっていうところだと思ってますので。

わかりました。大変参考になるお話しありがとうございました。

NPO法人メンタルヘルススクエア様からは何かございますでしょうか。

NPO法人東京メンタルヘルス・スクエア様
NPO法人東京メンタルヘルス・スクエア様

そうですね、この活動やこの団体を続けて行くのならば、我々の「仲間」でい続けて欲しいです。仲間意識を持ってお互いに協力をする、競争するんじゃなくて協力をしていくことで日本は変われると思っております。

これから皆さんが活動していってまたどっかで接点ができて、私達と一緒に情報交換ができるようになったり出来たら大変嬉しいです。

そういっていただけて大変嬉しいです。我々も精進して参りたいと思います。

本日はどうもありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

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