記事 当事者体験

メンタルヘルスと環境

大人になれば自分の意思である程度生活環境を選べるのは事実です。

しかし、子供であればどうでしょうか…?生まれた家庭も、地域も学校も選べないので、虐待やいじめを経験している/た方は読者の中にいるでしょう。

さらに、とくに幼い頃だと、家以外の環境はほとんど学校に限定されています。

また多くの方は、学校の人間関係以外の多くの時間も勉強を頑張ることを強いられ、ストレスに参っている方も少なくないと思います。

だからこそ、私たちは学生を主にターゲットにしたメンタルヘルスに力を入れているのです。

私の体験

筆者は環境の変化の影響で、精神的にひどく落ちこんだ時期があり、それが起因してメンタルヘルスに興味を持つようになりました。

*以下の記事は自傷行為、自殺描写を含んだ個人体験談になっております。自殺描写などが苦手な方はブラウザバックをお願いいたします。

メンタルヘルスに支障を起こしたきっかけ

私は小学校時代にアメリカに住んでいて、日本に帰国した際、周囲への適応がうまくいきませんでした。小学校6年生の時に帰国しましたが、近くの学校の人間関係が狭く、学級の中で唯一の帰国子女でした。帰国子女というと聞こえが良かったかもしれませんが、当時の環境においては排斥するための判断材料でした。クラスメイトに相手にされず、シカトや悪口を聞こえる距離で言われていました。段々「自分はおかしいんだ」と思うようになってしまいました。学校に行くと辛いから、不登校になってしまいました。

貴方にとっての居場所はどこ?

私にとって自分を救ってくれる場は、中学のときたまたま見つけ、通い続けたデザイン系の習い事でした。そこでの友人を含め、学校とは切り離された関係の友達関係は非常に自分にとり救いになっていました。同じ趣味を持っていたため、スムーズに意気投合し、仲良くなっていきました。親しくなった人には学校での出来事の相談もしてしまっていましたが…

学校での自分の暗い性格とは打って変わり(学校では話せなかった反動もある気がします)、よく口を聞き、明るく振る舞っていて、まるで違う人間のようで、たまに怖くなっていました。習い事と学校とでの心持ちが180°異なっていたため、精神的な安定が図れていたという訳ではありませんでした。

しかし、今その趣味に興じられているため今考えるとその習い事は、かけがえのない存在だったと思います。

なぜ「環境」は重要なのか?

私の個人的な見解によるものですが、

①環境によって自分の持つ個性・特性との相性が異なる

②外界との関わりによって、人間が自己肯定感を大きく左右されるから

どんな人でも自分の周りの環境がそれを受け止めてくれるかどうかがやはり大事で、精神的な影響を及ぼすと考えております。

例えば、生まれつき体が弱い人は体育会系の団体では明らかに多くの負担を他の人より受けてしまいます。周囲の環境との相性や周囲の人間による扱い、そこで自分だけが感じる「困り感」によって自分はおかしい人間であると自己肯定感が下がってしまいます。

例えば、転校生かつ帰国子女だった私にとって、閉鎖的な小学校の人間関係は「良くない」環境であり、得意と苦手のばらつきが多い私にとっては特進学級は「合わない」ものだったといえます。振り返ってみれば、そこのクラスでは他の転校生もいじめられていて良い環境とは言えませんでした。その時点では自分は感覚がおかしい人間だと思っていましたが、その根本的な原因は環境にあることがわかってから、その対象法を自分なりに少しずつ考えるようになることができました。

環境が悪いこともある!

事ある度、私がどうにか合わせなきゃ、自分が悪いという考えによく陥っていました。自分が今まで周りと同じようにできていなかったこと、周りに溶け込めていなかった理由を、全て自分の努力不足のせいにしていました。「違う」自分をどうにか変え、周囲に適応すればいいと思っていました。

しかし、友人が同じ状況だったら無理するなと声をかけると思いますし、周りからはみ出た特徴を持った人物(犯罪者のように他人に明らかな危害を加えていないが変わっている特徴を持つ人物)に同化を求めるのは同じ人間としてどうかと思います。なので、診断が降りた時、少し肩の荷が下りました。

特に発達障害傾向のある人は(もちろんこれは傾向が薄い人にもあてはまりますが)、合わない環境が多いため、そこで強いストレスを受けてしまいます。この現象を過剰適応と言います。なので、自分が置かれた環境を変えてみたり、自分の力では変えられない場合は、勇気を出して親御さんや周りの人に助けを求め、相談することは大切だと思います

それによって、精神的な症状が出ていた時期がありました。大学入学後、環境を選べたため筆者は救われた気持ちになりました。

環境を選びづらいティーン世代のメンタルヘルスは、より認知されるべき問題であると筆者は捉えております。

他の当事者の方々にとって生きやすくなるために、少しずつ社会に影響を与えていきたいと日々思っています。

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